回帰/
木立 悟
海と空しか見えない夜の道
小雨に似た
まだらな冷たさ
川の波と海の波が出会う
鳥たちが岩をついばんでいる
雲が雲を終えようとしている
無色の目のはばたきのように
初毛に触れる初毛のように
夜の湾に映る雷(いかずち)
光のない森が岸にならぶ
とどまることのない世界を
受け入れる者を 待っている
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