鵠沼橋/芳賀梨花子
 
少女の頃の恋は夏とともに
終わってしまうものなの
その恋は
秋は嫌いなんだよって言った
彼の夏休みの一部であって
砂浜の足跡みたいなもん
それでも馬鹿みたいに
求めあった身体には
きっと痣ができてて
傷つけあった幼い心は
やがて かさぶたが剥げて
なんねんかして鵠沼橋の上で
すれちがったら
きっとうずくね
それでもそのとき
白い杭が沖にない季節で
鵠ぷーも姿を消してて
やっぱり まだ秋が嫌いでも
鴎がつがいで じっと
134号線を照らすライトに佇んでても
なんにも手繰り寄せることができないこと
わたしが撮った夏のかけら
アルバムに整理していたら
彼のロ
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