イデンとゲンリ/まれ
ぼくらがこどもを産むのは当然で
それはぼくらが夢のこどもを
たくさん
胸の内に飼っているからだ
ときどき、芽を出すそれらは
波のように
人生を翻弄し、ぼくらをゆりかごへと戻す
それでぼくらは
突然訪れたゆりかごの心地よさを
不安に思い
こころを患って
右往左往する
それを見て
「ご苦労さま。」と
鳥が笑い
犬が吠え
猫が我関せず、とあくびする
あらゆるごたごたとどたばた
そののちに
緑の春がぼくらをくすぐる
いつか、未来に、壊れてゆくモノたちが輝き、萌え、
波のように,舌のように、燃えるように
生きてる。
たとえ、ふかく深く息を吸い、伸び上がってみても人の身ではそれらにはとどかない
だから、
目を瞑って
こころをのばす
そら、彼方へ、
遙か死の先へ、
あなたへ、
未来の同胞(はらから)へ遺伝を越えて。
戻る 編 削 Point(2)