トンネル/
珠李
辺りが突然一色に染まり
耳の奥がボーと音を立てる
これはきっと心に続く道に似ている
考えを吹き飛ばすでもなく
やっぱり今日も想いにふけて
あの時の過ち あの日の怒り
あの一瞬の喜び 果てしない道のり
このトンネルを抜けてしまえば
考えていたことなど
耳の音と同じ様に
影すら見えなくなってしまうのだろう
夏はもうじき去り行く頃を迎えている
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