命の恩人/浅野 すみれ
 
防衛する力を備えていないわたしは、
ダメなんだわ。
泣いたって、残されているのは鳩のフンの始末だけ。

「女の子はお姫様でいたいのよ。
 ピンクのドレスを着て、
 微笑んで王子様を待っていたいのよ。」

−白いタイツはいけません。
−時代遅れでございます。

そうして、雑巾を絞っていました。
始末が終われば、
洗剤の匂いのする手で美味しい焼肉を食べるの。


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