イロベヨウ/もる
誰からにも愛されていた人の死体を焼く
誰からにも愛されずいた人の死体を焼く
上がる炎は皆同じで 僕らは河に流れていく
彼女は決して表情を変えず 僕らの傷を受け止める
僕の擦り傷は彼女の右膝 君の切り傷は彼女の首筋
分け隔てなく混ざり合って
白も黒も紅く染まって 僕らは眠る
輪廻の果てへ逃げ出したい
ただ今回は中々楽しいと君は言う
僕は言葉を吐き出したい
けど胸に生えたナイフに気付き 背中合わせの君も崩れる
彼女の心臓に 大きな大きな傷が二つ それさえ耐えて涙も流さず
誰の記憶にもない子供二人の死体を焼く
上がる炎は皆同じで 僕らは河に流れていく
粉になった僕ら 全てと絡まり合いながら
浴びる命は皆の水で 僕らは河に流れていく
出会えた幸せ一つだけ 喜びの詩に代えながら
イロベヨウ イロベヨウ イロベヨウ
イロベヨウ イロベヨウ イロベヨウ
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