こんな詩を書きたいと思った/白糸雅樹
幼い我が子に虐待を繰り返し、死に至らしめてしまう父親の一人称の詩を書きたいと思った。その父親自身が過去に受けた(かもしれない)虐待の話は書かず、でも徹頭徹尾主観で、どうして自分が虐待をしてしまうのかも、どうして周りがいつも自分を虐待に追いこむかのように理不尽に責めたててくるかも判らず苛立つ男の話を書きたいと思った。
なるべくぐじぐじと、具体的に。言葉にならないどろどろを塗りたくるように。でもうまくできない。
どうしてもなついてくれない子ども。なついてくれればかわいがる気はあるのにと思うのだが、いつも自分にさからい、隅でいじけているような我が子。物心がついてから引き取ったのがいけな
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