もっと/アンテ
 

おおつぶのあめが
じめんをたたきつづけた
ふくもずぼんも
びしょぬれになって
くつぞこが
ぺしょぺしょきもちわるかった
かみやあごから
すいてきがしたたって
みずたまりにのまれてしまった
ざっきょびるをとおりすぎて
じゅうたくちをぬけて
こうえんにたどりついたころには
あめのおとで
みみがなんにもかんじなかった
もっとふれ
ことばのかたちをしたくうきが
おしつぶされて
もっとふれ
みずたまりの
うえではじけた
ぶらんこからさき
いっぽも
すすめなくなった



                          「も」
                     あいまいなきもち

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