ウミガメ/芳賀梨花子
 
てた
私は隣に腰掛けて
きれいだねって
うん、きれいだねって
亀ちゃんが答えると
私の心は勝手に緩んで
馬鹿みたいに泣けてきて
亀ちゃんは、相変らず月を見上げてて
なぐさめるわけでもなく

亀ちゃんがマリリンに言った
リカチャンモウミガメナンダネ

月ではなくマリリンでもなく
私を見てもらいたくなって
キスした
それしか方法がないような気がして
亀ちゃんはびっくりして
身体を強張らせたけど
すぐ、柔らかくなって
私はしがみついたまま
泣き続けた
リカチャンハウミガメダカラ
そう言って、頭を撫でてくれるのに
亀ちゃんは勃起していった
私は気がついたけ
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