ナンノタメダロウ/石川和広
 
僕は友達が少ない。

いつも思っていることだが、こればっかりは難問だ。さみしい病が襲ってくる。

今日は、彼女が旅行に行ったので実家に帰ってきているのだ。
そんで行動範囲が病気のせいもあってか、もともとなのか、狭い僕は珍しく本屋によったり地元のジャズ喫茶で田村隆一を読みながらコーヒーを飲んだりした。
かなり充実したメニューだった。

医者にはお仕事以前にひとりで過ごせるようになりなさいと言われている段階だ。
これでおわかりのとおり僕は一人が駄目なのだ。普通に一人にすらなれていない時間が多い。別に悩んでてもいいんだけど。

でも友達が少ない。
ジカンガツブセナイ。あやうく頭が
[次のページ]
戻る   Point(5)