異常な時代に対する最終弁明 ?または、直観の疾走者/岡部淳太郎
は都合よく出来てはいません。すべてを論理やデータで割り切る態度に、僕は一種の淋しさを感じます。そこまでこちこちに割り切らなくても良いのにな、という思いがあります。僕は直観思考型の人間として、自分の思ったことを一瞬にして掴み取ります。それは良いとか悪いとかの問題ではなく、ただそのようにして疾走するように言いたいことの方に向かってしまうのです。
現代を異常な時代であると思わないというのは、逆に言えばものすごく幸せなことではないかと思います。僕のように、日々いやな思いをして過ごさずに済むわけですから。現代を異常な時代であると思うのなら、それも良し。思わないのなら、それもまた良し。僕はそのどちらの考えも一概に否定はしません。問題はその先、いまこの時代の中で、各自いかにしてより良い生を生きるか、ではないでしょうか。そうした個人の生がつながって、時代や社会が少しでも良い方向に行けばいいのではないかと思います。
(二〇〇五年八月)
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