「書評」紛争の心理学:融合の炎のワーク A・ミンデル著/こん
信じていいのだ、という気持ちになりました。相手を変えようとして罵り合っているうちにふと「自分が」変わったと感じる一瞬があるのだ、と。
多様性の尊重、「みんなちがってみんないい(by金子みすず)」はもちろん大事なことで、大前提でもあります。けれどもほんとうに心からそう言えるには自分のなかの偏見や露になっていない差別を手放さなければ言えないのです。ミンデルは「争いで平和を築く」と言います。もちろん血の流れる暴力で、ではありません。美しく平和的な言葉で平和が訪れるならそれに越したことはないのですが、その態度自体が非主流派にとって憎しみの原因となることも多いからです。自分に向けられた憎しみに耐え、自
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