「あいうえお」(「五十一のデッサン」より)/たもつ
 
の手紙

は、いつものように
うつくしく
わんきょくして



(え)

列車から降りると
駅の周りは一面

の花でいっぱいだった
若い駅員が鉢植えの

の花に水をあげている
あれはきっと
春と呼ばれる季節だったに
ちがいない
君が僕のてのひらに

と、小さく書いたのも



(お)


と目が合って
そのクルリンとしたところの穴が

の目だと初めてしった
とりあえず

っと
驚いて
それから
もう
夜だった




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