ガードレールで夢を見た/千波 一也
 

排気ガスの向こうに
こころだけを投げ出せば
いつだって僕は風になれる
鳥にだってなれる


部屋に戻れば
やわらかい布団と
あたたかなシャワー



守りが約束されているのなら
夢には
限りがないね


だから
今日も
加速の音だけを聴いている



ガードレールで夢を見た



束の間だけ
守りを忘れてしまうことが出来るから

都合良く
忘れてしまうことが出来るから


もっともらしく夢を見た




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