鳥篭の向こう/りぃ
 
熱に浮かされた熱い体を持て余している
脳はもう溶けてしまったに違いない
そうでなければ
ぼやけた視界に誰も映ることが出来ない

助けてほしくて泣いてみた
この体に有り余るほどの痛みを吐き出して
そうすれば楽になれる筈で
それは確信に近い望みでもあった

携帯電話のコール音が響いてる
ディスプレイを見ずに電源を切って
外界との交信を絶ったつもりでいる

窓のフェンスが鳥篭の柵に見える
濁った空が蒼く見える
浄化された気持ちで深呼吸してみる

縋り付くように倒れたのは
肺に何かが刺さったからじゃなくて

弱さに負けた強がりがようやく、泣き出したからだよ

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