夢日記抜粋、最近いちばんの悪夢/佐々宝砂
ていた。
さっきの三毛とおなじ顔をしている。
しかもこの左手の猫が私にかみつくのだ。
私は困った。というより恐ろしかった。
私はナイフで自分の左手首を切り落とした。
夢だから痛くはなかったが、血がすごい勢いで吹き出した。
切り落とした手首、いや猫の首を、
私は自分の母に預け、始末を頼んだ。
私は手首を止血しようとした。血はすぐとまった。
しかしとまったと思ったとたん
猫の頭が再び生えてきた。人面瘡ならぬ猫面瘡。
なんてこったと思っていると台所で母が悲鳴をあげた。
血まみれの猫の頭から身体が生えてきて、
まともな全身を持つ猫になり、
そいつが台所であばれまわっているのだ。
私はもういちど自分の左手首(ないし猫の首)を切り落とし、
あばれまわっている猫を必死に追いかけてふんづかまえ、
猫の首と猫を新聞紙でくるみガムテープでぐるぐる巻きにした。
高熱の焼却炉で焼くほか解決策がないと思い、
燃えるゴミの袋につっこんだ。
つっこんでる最中で目がさめた。
左手がまともだったので、かなりほっとした。
戻る 編 削 Point(2)