かくはん/
朝野
もやと
白い光と
雨の降る音と
どこかで掃除機をかける音が
ゆっくりと
窓から流れ込んでくる
それから 誰かがずっと
なにか語りかけているのが聞こえる
心地よく穏やかな声
朗読するときの あの
声で
けれど相手がいるような雰囲気はない
夢と
地続きになっている朝 は
明け切らないまま
いちにちをぼんやりとしたものに溶かしてしまう
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