参拝/はらだよしひろ
だからなんだと言われればそれまでで
左手に賽銭 右手には青い空を
どこまでも どこまでも
続く 青い空を
伸ばしても届かない青い空を
いつの間にか気づいてしまった
願い事など 叶わないから 願い事をするんだって嘘に
知らない間に知ってしまっていた
青い空に涙してしまう自分の欺瞞に
重ねて凝り固まったもの
僕はそんなものになりたかったんじゃない
僕は僕に重ねられた柵を一枚一枚剥いで
僕の柵を自分の手で作り上げたかったんだ
ふわふわとふわふわと
そんなものいらない
言いたい事だけ言えば
言葉と心が体からこぼれて
口は本物を借りるようになるよ
森の鳥居も土無き街も
みんな繋がってる
でもどこかで繋がっていない
どこで繋がる
青い空は雲を遠ざけ
白の鮮やかさを残し
歩く 参道と足裏のささやかな
合わさる音
音
音
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