救いへの思い(3)/Fujiwara Aki
緑の癒しの空間から弾き飛ばされ さまよう子供らにまどろみは、無く
降りそそぐ悲鳴の雨に夢と飢えだけが実る
もの言わず増え広がる廃墟を彼らは、無色の王宮と呼び
自らを捧げ物と位置付け 現世の望みを来世に託して両手を合わす
デジタルの情景より「狂気!」と、叫ぶのは幸福の証
ああ、人よ
漠然と浅はかな無視する能力を何処まで進化させればいいのか
歩み寄る黒い影は、近い
擁く常識は、個々のもの 抑圧は、する側の驕り
飽和の再生すら望めない
人類の道は、終極を目指す
肺から突き上げる程の嗚咽を私は、押さえながら
何処かの宙の神に向けて
人の願いを聞き入れたまえと 両手を突き上げ懇願する
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