愛のソネット/投稿者
だいだいの色のこおろぎのかすかな声、いたむ右腕をさすりながら届くか届くかとうたう声、女の子はちいさく踏みつぶしてやろうかしらと呟くのだけれど、お月さまも知っている女の子はそんなことはしないと。
ブラジャーの中で乳房が笑っているので、おい静かにしろよと注意すると乳房はよけいに笑ってあら私注意されるすじあいなんかこれっぽっちもないのよ笑わせないで、などとぬかすのでこの女は脱がしにくいや。
天気のいいのを口実にして散歩にさそってみたのだけれど、道ですれ違うすべての交尾中の犬や虫や草花までもがようようおふたりさんアツイねひゅうひゅう、などとからかうのでどうやら手もつなげそうにない。
逆さ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)