くびれ/
恋月 ぴの
それは総ての男を魅了する
総ての芸術家を虜にする
それは瑞々しい果実のようであり
たおやかな母の抱擁をも予感させる
それはあまりにも眩しい
陽に焼けたまろやかな曲線は
誇らしさをも感じさせ
興味本位の視線を恥じ入らせてしまう
それはひと夏の甘い記憶
やがて実りの秋の訪れとともに
厚い衣服のなかに姿を隠し
総ての男たちの戸惑いの内に
身を躍らす小魚となる
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