『Ciao Totti!』/川村 透
 

 君は何の亡骸か?
 スクリーンに映し出された、Saga

 僕も、あの木目のスクリーンの中に立っていたんだ
 End Roll、に消えてゆく文字、たちが雨に変わる
 かりそめの昼間の明り、踊る
 カリオカ、熱くて湯気になる、
 サンバよりボサノバ
 Face paintからVanishing point まで
 陽気なのっぺらぼうたち、赤い頬をして君の敗北を祝ってくれている
 拍手の数だけ、失われてゆく
 PRIDE のつぶつぶを数えてみた
 藍色の天にあおぞらの傘を求めて、見た
 ピノキオの鼻は天を目指してむずむずと棹立ち
 蒼き馬のやるせなさ柑橘系の汗を滴らせる
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