ピエロ/みもる
 
で丸い模様になって

「まだまだショーはこれからよね?」

その言葉に
地面から大きな丸い玉が湧き上がってきて
僕はそれに乗って浮かび上がる

辺りは夜になり
二人だけの空間に
パチパチと小さな拍手

君が手を叩くたび
僕の体には星の模様がひとつ増え

いつの間にか星の模様は無数になる
夜空と見分けがつかないくらいに

君が笑うたび
音符模様の紙吹雪が舞い

君が歓声を上げるたび
僕は誰よりも高く飛び

君が芸に見入るたび
僕の赤い模様は鮮明になる

もっともっと
躍らせてくれ

もっともっと
おだててくれ

もっともっと
笑ってくれ

僕はピエロ
お客がいないと芸ができない

僕はピエロ
小さなデパートの屋上で働く

僕はピエロ
君だけの
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