返歌集/恋月 ぴの
 
せみ時雨夏の心は風誘い
    剥き出しの肩陽に揺らぎゆく


通い合う心模様を重ねれば
    枕に添えるタオル直して


向日葵の風の音遥か陽に遊ぶ
    日傘の先をくるるりと舞


よもすがら聞こえるさまに風あおぎ
    瞬く星と枕並べて 


ひとひらの想いの里にうちいでて
    咲く花もまた永久に変わらず


触れずども尽きぬ想いに乱れゆく
    心模様は逝く空の下


木漏れ日に森の内へと彷徨いて
    あけぬ夢見に抱かれるまま 


振りかぶるグラブに隠した君の手は
    ズドン
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