陽炎/
ベンジャミン
まだ幻になるには早すぎる夏
したたる汗を拭きながら
影を引きずってみる
昼下がり
気がつけば青信号は点滅し
横断歩道は白くアスファルトを削っている
そしてゆらりと
行き過ぎる車の熱風にさらされながら
いつしか
影だけが僕の前を歩いている
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