こんとらすと/m.qyi
こんとらすと
ぼくは地中海へカチカチと音を立ててオナニーをすると
たんぽぽの白い種がの群青の奥深くきもちよく吸われていく
よ
どこまでも透明な青磁のお碗のなかで
たくさんの光素が反響して耳鳴りがする
よ
コンタクトレンズの透明なリングに冷水を注いでいる
頭の天辺
見えるのか見えないのかなあ
海の向こうの戦争の悲惨な悲鳴の中を
抜けるのはさらっとした潮風
潮風がたいへんさらっと吹く
空洞の僕を
悲しい事も苦しい事も悔しい事もましてや恐しい事も
なにもなかったよ、ないよ いまも
僕の中は暗く涼しいだけだ
ぺんぺん草は鼻孔から銀色の太陽に小さな鏃を研ぎ
たんぽぽは暗い眼孔から白い冠毛の顔をわざわざぼんやりのぞかしている
よ
ぼくは しゃれこうべ
これは ぼくの死んだ後の話
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