「 十五歳、夏。 」/
PULL.
今も覚えてる。
素っ気ない茶封筒。
ボールペンで書かれた名前。
八枚と、一枚と、三枚。
四枚と、二枚。
一ヶ月はぺらぺらしていた。
時間について考えた。
すべてを費やせば、
これは何枚と何枚になるのだろう?。
どこか遠くで鳴っている。
サイレンとサイレンと、
サイレンス。
それだけが、
生々しくて痛かった。
十五歳。
夏休み最後の日。
ぼくは少年を捨てた。
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