幻想の王国 あるいは 詩権神授説/佐々宝砂
やたらに重いのである
それは昼も夜も容赦なく
私の頭にのしかかってくる
鎮痛剤は必需品だ
青空なんてばかでかいものを
頭に乗せているんだから
偏頭痛も当然なのだ
だけど青空はやはり青空で
晴れやかで瑕一つなく澄んで
そこには一羽の大鳥が飛んでいて
でも私の青空はアホらしいほど重い
たまには誰かに預けたいと思うのだが
今のところ誰もうんと言ってくれない
4.鳥の亡骸
鳥が歌をうたうとしたら
それは
鳥の詩的な内圧が
鳥の皮膚を破ったから
鳥が飛んでゆくとしたら
それは
鳥の詩的な
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)