さよなら/なつ
また明日会えるひとへ
あなたに 手を振る
こころに灯る確信は
また明日も会える
なのに
さよなら、が言えない
じゃあね
またね、
そんな言葉で
ぽん と背中を押して
さらさらと溶けていく
また、明日
だってさよならは永遠のにおいがする
消えかけた矢印は
幾度も肩に刻む
ここは あなたのいない場所、
明日は
光速で飛んでこないから
また明日会えるひとへ
さよならの
さ、だけちぎって
遠ざかる背中へと 放ってみたら
さみしい、ってつぶやいて
地面に はじけた
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