ひとりごっこ/
なるせ
嘘を付いて後悔して
狂ったふりだってしてきた
どうだい
こんな夜にきみは
俺を捨てようっていうのか
そんなことば
覚えているのは夢の中でだけ
出会うことのない妖精
きみはまだうたをうたう
片眼をなくした狼と
右足のないライオンが
どっちが不幸かを競い合ったように
お前と
俺の
どっちが哀れかを
目覚めたのは夜で
太陽もきみも
いなかった
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