さかなゆめ/umineko
 


ただそれに呼応するように、その頃の作品はどよーんと暗い。実は捨てられずにずっと机の引出しに入っていて、今もこうして読み返すことが出来るのだけど、ともかく暗い。ありがちなダダイズムっちゃーそうなんだろうけど、ま、一介の高校生としてはきわめて健全、といえなくもない。

だけど、今ならその意味がわかる。私はその頃、レンアイをよく知らなかった。誤解していたのだ。レンアイは楽しくて華やかで心沸き立つものなンだろう、と。だからそれを手にしていないことが、敗北だと思っていたのだ。

私は今も詩を書いている。レンアイの詩も、しつっこく書いている。ただ、横たわるものがなんだか違う気がするんですね。

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