泣いてばかりいた - 1975年08月29日(金)/ともちゃん9さい
 
夏の釧路、日赤病院のカレーはくさっていた。

ぼかあうまれた。父ケイジ。母ミホコ。
イエス、ナンバーワンフル時計記憶のカナタ、
じいちゃんとそりすべり鼻イタ家帰りミーしたたる水てきすべりころび
泣いた。
じいちゃんその後ちんこから血がでて入院、しろいベッドヤセホソ違う顔、
うつる病気だとおもった。こわくて、手、じいちゃんの手、
にぎれなかった。
4歳はうつらない病気だなんて、なおらない病気だなんて、知らなかった。
まもなく止まった。まぶたうっすらひらいてひふがまっしろのじいちゃん。
おじいさんの古時計の半分くらいで死んじゃった。
私は手をにぎれなかった。

父ケイジ、3
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