*雨 恋し*/
かおる
ふってくる 蝉の声に閉じ込められ
みどり色にとけていく
こんもりとした緑の隙間から
容赦ない光が照りつける
白と黒のかげの中 一陣の風
あおと蒼のあいだに
ぽっかりと浮かぶ しろ
ひとしずくの 雨も恋しくおもう
カンカンと照りつける陽射しと
蝉時雨にみどり色の閉塞感
この容赦ない光の洪水に
白旗を振るのが関の山
ションボリとうつむく
花々に 流す涙も 枯れ果てる
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