音 ?/
木立 悟
雨に目を閉じ
まぶしさを聴く
雲の下にひしめく花
斜面にひろがる野を
冷気が降りてくる
石の城が燃えている
雨の声が焼けている
煙が風に鎖がれていく
丘の上に散らばる生と死を
雷が明るく照らし出す
陽を知らぬ朝のふところに
残雪が翼のように臥している
低くただよう霧の影が
小さく分かれては野を越えてゆく
青と金にかがやきながら
渇いた地を求めて
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