傷という祭り/
たりぽん(大理 奔)
涙がつたっていた
朝のことだ
見ていたのか
夢を
(思い出せない)
遠くから鈴の音
昨晩のことだ
届いたのか
手紙が
(治らない)
涙がつたっていた
朝の風が
社の空気を
告げる
(浅すぎる切り傷)
そうか
数えおわって
めぐって来たのだな
あの、
祭りが
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