この国で生きていくということ/逢坂桜
なくて、私やあなたの望んでいることが、
政治に、この国の行く末に、意見を言えるということ。
だと、思う。
夢みたいなことだけれど、過去はそうやって動いてきた。
参政権は、いまでは二十歳以上の日本人なら誰でも与えられる、けれど、
ちょっと前、60年以上前は、もっとずっと少ない人しかもらえなくて、
それより前は、お金持ちしか権利はなかった。
この国の、自分の生活に関わることや、この国の行く末や、
そのほかいっぱいの決まりごと。
決める人は、この国のほんのひとにぎりの人。
それはやっぱりおかしくて、こうして、あたりまえにもらえるようになったけど。
国民がこんな夢を言う。
それが、この国で生きていくということなら、
やっぱり、さみしい。
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