きみづれ野/Monk
鋼線伝いの道
丘へと
君をつれ
君は犬をつれ
ふと目をはなす
その隙に
君は増え
君のつれた犬は増え
群れる
群れてゆく
君君
君君の犬犬
が、を
が、を
地がふるえる
もう振り返ることは
ふれている
手
手手手
の感触
君が、犬を
君が、犬を
よろめく
緩慢な歩行の
僕を頂点とした
いわば
獣の縮図
いつか
喰われてしまう
ううう
運命だ
再びよろめく
連動して背後の
巨大な三角を描くものたち
地が
ふる、える
僕のたましいを
ゆさ、ぶる
両手など既に
両肩にも爪音
腹をすかせた
獣たちの
声声が
響響くくく
だが
一歩
風が頬を切る
また一歩
カミナリが胸を貫く
そして一歩
僕は嵐吹く丘をめざす
頂で
君たち
君たち全ての名付け親となる
僕の運命だ
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