父よ/あるふぁ
 
 あなたの首筋はいっそう細くなり
 顔には凝灰岩が多くなる。
 また体重が減ったよと力なく笑うあなたに
 私は何と答えたら良いものか。
 84歳まで生きたと、自分の家系では知る限り4番目か5番目だと
 自らを励ますように息子に語りかける、父よ。
 あなたの足元のふらつきは大きくなる。
 庭の雑草にはもう追いつけない。
 月に一度の夕食に、しばし語らう
 そう遠くない日の別れをお互いに
 承知しながら。

戻る   Point(3)