夏、去る/
狸亭
一陣の風とともに
夏が 去る
この夏もついに
去年の夏はすでにくちはてる
おさない日
戦火
くりかえされた汐の満干
階段にひしめいた軍靴
あれる海も
もえる恋も
一族の歓談も 一気に 去る
狂気の 白い夏
幾重にもおりたたまれた夏
青い闇がせまる。
(押韻定型詩の試み 13)
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