書評:  『ファザー・ファッカー』/内田春菊/mana
 
 直木賞だったのか、それとも芥川賞だったのかは既に忘れてしまったが、賞を取り損ねたことで評価(あるいは評判・話題性)を高めた、つまりは売れた内田春菊の『ファザー・ファッカー』。


 この本は難しい。3回くらいは読んだ。けれど、僕にはなんだかうまく距離感を取ることが出来ない。


 『ファザー・ファッカー』が出た当時、僕はなかなかに内田春菊が好きで、この本も初版で買った。どういう風に言えばいいのだろう? これでは印象に過ぎないが、「しんどい本だなー」と思う。わかるんだけど、積極的に同調し、易々とはわかりたくない。そして、1回読めば「おなかいっぱい」になってしまう。そんな感じが僕はす
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