異常な時代に抗する言葉/岡部淳太郎
 
方がもう役に立たないような難しい時代にいまは突入している」とも言っている。
 いったい、どうすればいいのだろうかと思う。この時代に生きて詩を書いている人間として、自らの言葉をどう扱っていけば良いのかわからなくなることがある。そんなに難しく考えなくてもいい、ただ楽しんで書けばいい、そう言う人もいるだろう。わかっている。難しく考える必要などない。ただ楽しめばいい。だが、それでも、何か納得のいかない思いが残る。ただ楽しんで書いているだけでは、異常な時代に目を背けて、詩という遊びの中に逃げこんでいるだけではないのだろうか、とも思う。もちろん、ただ楽しみたいだけの人はそれでいい。自分なりのやり方で楽しめば
[次のページ]
戻る   Point(21)