所在なし/yamia
肉体は抜け殻で
ただの入れ物でしかない
・
つなぎ目がとうに錆び付いていることは
重々承知の上で
真実とかいう胡散臭いものを探す旅に出る
センチメンタルな接着剤で
仮止めされても
ただの気休め
持ちこたえる時間はたかが知れているだろう
それでもあてもなく彷徨い
たどりついたのは
入り口も出口もない大きな水たまり
周囲は微妙にぬかるんでいて
境界は曖昧だ
泥で重くなった靴を気にする必要性ももはやなく
核心へと歩み寄り覗き込み
ささやかな期待に胸を踊らす
自分が何者であるかを
暴いておくれ
深くて澄んでいて
真の姿を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)