登校日/うめバア
それが少し、気分をイラ立たせる
でもそれよりも、
太陽がぎりぎりまでとんがって
海のてっぺんから
繁華街の真下までつきぬけて
大きな波にさらわれるみたいに
あの子が持っていかれる
守備範囲内にいたならば
見るだけで過ぎてく
ただの季節
境界線を越えることは
さほど難しいことじゃない。
だけどビシっと張りついた
夏の真ん中にいて
なんにもない場合には
ただ、情けなく
立ち尽くすしかない。
私だって、できれば
不純な夏に
さらわれてしまいたかったけど
後ろ姿を追いかけながら
自分の腕に唇をあてて
吸い込んだのは
ぼんやりとした悔しさが
手持ち無沙汰だったから
あの日、
一緒に塾へ行こうよと
誘っていたら
もしかしたら
今頃はまだ
ふたりでアイスクリームを
食べていたかもね
真新しい2学期には
少し早い
今はまだ、
くたびれた夏の
登校日
戻る 編 削 Point(4)