暑い夏/kimuko
 
暑い夏
公園の白いブランコに
佇む老人

こんな日にも
汗ばまない掌眺めて
寂しげな笑みをこぼす

本気で愛したあの人も
今は遠い空
自分を知るものさえ
誰もいなくなって・・・

このまま
まるで夢心地の中で
静かに
逝けたらいいと


暑い夏
公園の白いブランコに
佇む老人

何か忘れ物が
ありはしないかと
心の中で荷物を確かめた

彼は少しためらって
それでも大きく地面に
自分の名前を書いた
涙こぼしながら・・・

次の夏
公園の白いブランコ
風に
揺れていた
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