キラメキノウタ/菅原 夕輝
 
煩雑な文句が蔓延した世界
今日も空は青い。


あの日の惨劇をすっかり忘れて

単調な唄と 中身がからっぽの詩を
 顔のない人形が歌う

  …そんな愛の言葉なんて
  温もりある肌の内側に
  届きはしないのに


「儚く散ってしまう命へ
  歌う唄が
 どれ程 此処に遺っている?」


―――そう問いかけるこの喉に
   触れる琴音は消えてしまった


煌めきの唄を
思い出すように、

今朝も空は青くて
 悲しい程青くて……


煩雑な文句が蔓延した世界
今日もどこかで、哀しい唇が動いている
戻る   Point(1)