キラメキノウタ/菅原 夕輝
煩雑な文句が蔓延した世界
今日も空は青い。
あの日の惨劇をすっかり忘れて
単調な唄と 中身がからっぽの詩を
顔のない人形が歌う
…そんな愛の言葉なんて
温もりある肌の内側に
届きはしないのに
「儚く散ってしまう命へ
歌う唄が
どれ程 此処に遺っている?」
―――そう問いかけるこの喉に
触れる琴音は消えてしまった
煌めきの唄を
思い出すように、
今朝も空は青くて
悲しい程青くて……
煩雑な文句が蔓延した世界
今日もどこかで、哀しい唇が動いている
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