ソネット/狸亭
 

むかしある男がいた
異国の都市に行って
いい女にめぐりあって
恋の虜になった

裸の女をだきしめた
あまい時がながれて
つらい涙をながして
盲目の奴隷になった

海峡に黒い風がふき
千鳥格子の嵐がまき
ふたりして神にいのった

ついに来た冬の夕暮れ
男と女はひきさかれ
おだやかな日々がおとずれた

 (押韻定型詩の試み 12)


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