キミへ/Kj
 
あて先に「キミ」と書いた 小包を
ゆっくりと あてどなく寄せる波に
流してみる

落ちた葉も すこしだけ積もり また風に飛び
生えた芽も すこしだけ伸び  また静かに落ち

いつかこの小包が 
君のもとに届いたら 
君は何を想うだろう

揺れる波間に 星は堕ち
月は美しく溶けて広がる

しんと張り詰めた空気は 凛として僕の顔を打ち
静寂が この世界のどんな音より 大きく響く

いつかこの小包が 
君のもとに届いたら 
僕は何を想うだろう

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