氷夏/クラウン
 
からからん、と
コップの中で
氷が鳴るのを聞くたび

胸がきゅうぅっ、と
縮まるような気がする

あまりにも
切なくて儚げで
でもきりっ、とした
氷の音が

私の別れを
思い出させるから。

氷でひんやりとしたお茶を
口に含みながら
思い出すことは

熱帯夜の日に
あなたと2人で食べた
熱い熱いぞうすいのこと、

笑顔が素敵だったけど
たったひと夏しか
愛せなかった
あなたのこと。
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