夏の喪失/たりぽん(大理 奔)
 
かざぐるま
自分では回れない
竹とんぼ
自分では翔べない

( 風を起こし風にまわる )

風鈴
自分では歌えない
三日月
自分では輝けない


夏の終わりを待ちこがれ
飛ぶ蜻蛉を目で追い
遠い雷鳴に耳を澄ます

そう、
傷つけかたまで
好きだった








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