夜の音楽会/LUKE
 
コンサートには少し遅すぎる夜更け

通りから

低い音が響き

一拍おいて高い音が応えた

低音が一オクターブ低く唸ると

高音が続けて何度か鳴った

下のほうでは

カッカッというそっけなさと

バタッバタッというなげやりな音が

アレグレットを刻みだし

やがて低音と高音のビブラートが

夜をゆする


perdendosi
(ペルデンドシ)


余韻が消えたあとの

部屋の中では

一人だけのオーケストラがため息を奏でた


※perdendosi:少しづつ弱く緩やかに消える様に
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